●症状 骨粗しょう症●
○骨粗しょう症とは   私たちの体は、常に一定量のカルシウムを消費し続けています。そして体内のカルシウム量が不足すると、骨の中に含まれるカルシウムを溶かして消費し始めます。一時的な不足の場合は、その後の摂取で骨の中のカルシウムは補充されますが、慢性的な不足が長く続くと、やがて骨はもろく、折れやすくなってしまいます。これが骨粗しょう症です。しかも骨全体が弱まって骨折してしまうため、折れてしまった骨が元に戻るまでに時間がかかるようになってしまいます。また骨折が原因で日常生活行動(ADL)の低下、さらには寝たきりになってしまう事が大きな問題となっています。

 
○患者数  わが国の骨粗しょう症の患者さんは、女性が約800万人、男性が約200万人、合計1000万人と推定されています。これは高齢化社会に伴いさらに増加していく傾向にあります。女性はホルモンのバランスが大きく変化する閉経後、骨の量が急激に減るため、骨粗しょう症になる人の割合が高くなります。男性は女性に比べると、骨粗しょう症になる人の割合は低いですが、加齢と共に腸管からのカルシウム吸収が低下するため、70歳を過ぎると骨粗しょう症になる人の割合が高くなります。

 
○症 状   骨粗しょう症の初期には、自覚症状は全くありません。しかし進行期に入ると、疼痛(腰背部痛)や骨折が起こります。痛みの種類として、安静時の痛み、不快感、前屈時痛、起坐位時の痛み、歩行時の痛み、寝返り時の痛みがあります。骨折しやすい部位として、大腿骨頸部、脊椎、橈骨遠位端、上腕骨頸部、肋骨があります。  また脊椎変形に伴う症状として「前傾姿勢になるため体のバランスが不安定となり転倒する頻度が高まる」「腹部膨満による食欲減退」「食べた物が喉につかえるなどの胸焼け症状」「急に起き上がれない、長距離歩行が困難、上を向いて安眠出来ないなどのADLの低下」「身長低下」が表れます。

 
○種 類   骨粗しょう症の種類は、まず原発性骨粗しょう症と続発性骨粗しょう症の二つのタイプに分けられます。原発性骨粗しょう症は、原因がわかっていない骨粗しょう症です。なかでも圧倒的に多いのは、閉経を迎えた50代から70代までの女性に多い閉経後骨粗しょう症、そしてそれ以降の高齢者に見られる老人性骨粗しょう症です。  一方、続発性骨粗しょう症は、原因が解っている骨粗しょう症です。原因としては、「各種内分泌疾患」「胃切除」「ステロイド製剤の服用」など数多くのものが知られています。

 
○診 断   背骨のエックス線写真と骨密度の2つの検査を行います。骨密度の測定法には、人差し指のエックス線写真をとり、その濃度をアルミのスケールと比較して骨塩量を測定するMD法などがあります。  背骨のエックス線写真で圧迫骨折があれば、それだけで骨粗しょう症と診断されます。圧迫骨折がなくても、骨密度が低い場合も骨粗しょう症と診断されます。
●食事療法● 
○カルシウムを含んでいる食品を積極的に食べましょう!  日本人の高齢者において、800r/日以上のカルシウム摂取でようやくカルシウム出納がマイナスにならない事が解っています。カルシウムを多く含む食品には、牛乳、乳製品、小魚類、大豆製品、緑黄色野菜、海藻類などがあります。なかでも牛乳、乳製品に含まれるカルシウムは体に吸収されやすいので、牛乳が苦手な人もグラタンやシチューなど調理を工夫してとるようにしましょう。

 
○ビタミンD3、ビタミンK2も取りましょう!  ビタミンD3はカルシウムの吸収を増加させ、新しい骨を作るのを助ける作用があります。またビタミンK2には骨密度の減少を抑えて、新しい骨を作るのを助ける働きがありますので、これらのビタミンをカルシウムと一緒に取るように心掛けましょう。