●症状 すい炎●
○すい臓の働き   胃のちょうど裏側にあるすい臓は、長さ15cmほどの、オタマジャクシのような形をした消化器で、主に2つの働きをしてくれます。
 まず、すい臓で作られるすい液には、たんぱく質を分解するトリプシン、デンプンを分解するアミラーゼ、脂肪を分解するリパーゼなどたくさんの消化酵素が含まれており、胆嚢から排出される胆汁の助けを借りながら、腸内での消化をスムーズに行う働きです。そしてもう一つの働きは、インシュリンやグルカゴンというホルモンを作り出し、私たち血液の血糖値を調整してくれる働きです。
 

 
○種類と症状   すい炎は、急性と慢性に分けられます。急性すい炎では症状として突然、猛烈な腹痛が発生しますが、その痛みは数日で和らぎます。しかし後日、急性呼吸不全や急性腎不全、敗血症などを起こす危険があり、死亡率も高く怖い病気です。
 逆に慢性すい炎は、ジワジワと病気が進行します。症状として腹痛のほかにも、腹部がはれた感じがしたり、食欲不振や嘔吐などをともなうこともあります。そしてこれらの症状をしばしば繰り返します。

 
○原 因   急性すい炎の原因や誘因として胆石症、感染症、糖尿病、暴飲暴食、脂肪の取り過ぎ、お酒の飲み過ぎなどが考えられていますが、原因不明のものも少なくありません。慢性すい炎も同様に胆石症や糖尿病などが原因になることもありますが、原因不明のケースが多いです。また近年、お酒による慢性すい炎が増加傾向にあります。 

 
○検 査  すい炎を調べる方法として、血中と尿中のアミラーゼを測定する方法があります。先程述べたように、すい液中に含まれる消化酵素アミラーゼは十二指腸に分泌され、デンプンをブドウ糖に分解してくれるわけですが、すい炎を起こし、アミラーゼの分泌量に異常が起こると、その一部が血液中に紛れ込みます。そしてその一部が血液から尿中に紛れ込むわけです。正常値は血液中で60〜200IU/L、尿中で150〜1000IU/Lです。 
●食事療法● 
○消化しやすいように料理を工夫  すい炎を起こし、すい臓に異常が起こると消化する力が衰えます。そこで消化のよい食品を選ぶことはもちろんですが、同時に食べ物が消化されやすいように料理の仕方にも気を配りましょう。
 例えば、野菜を食べるにしても、生のサラダではなく、煮付けたり、茹でたりするようにします。食品によっては裏ごししたり、細かく刻んだりするのも良いでしょう。

○脂肪に神経質にならない  すい炎では、脂肪を取ることを控えることが要求されます。しかし、神経質になり過ぎて、油ものは全く取らないということのないようにしましょう。脂肪は、ビタミンA、D、E、Kなど、油に溶ける脂溶性ビタミンの吸収に欠かせません。しかも、脂肪も少量であれば、すい炎の引き金ともなる過剰なすい液や胆汁を体外に出す働きもあります。